ゴールデンウイークまでの怒涛の忙しさは、ゴールデンウイーク明けからまた続くのですが、稼働できない現場の都合で少し余裕ができました。
そんな中、待ったなしの要請があり、松阪市の山奥に伺ったときのことです。
ご依頼は、飼い猫が侵入してきた野良猫とケンカして逃げだしてしまい、出てこなくなったというもの。
朝と晩だけかすかな鳴き声は聞こえてくるけれど、昼間は音もたてず、3日が経つ。年齢も11歳なので、飼い主さんとしては心配で心配で一刻も早く救出してほしいというご依頼でした。
鳴き声が聞こえる壁の裏には作り付けのタンスの引き出し。土の土間に竈が据えられている昔ながらの家屋です。しかもそのタンスは引出しが引き出せない状態になってウン十年もたっているため、普通に考えれば壁の中へ侵入することは不可能でした。
そのため、床下から音が回って壁の中からのように感じると考えるほうが合理的でした。床下には侵入経路がいくつもあり、野良猫を警戒して朝晩のみ床下で身を潜めている可能性が高いとの判断をしました。
床下の状況をお知らせするために撮影したところ、引き出しの奥にあたる場所が破れているかもしれない?ような写真が取れました。そんなところわざわざ破ろうとしないと破れない場所ですし、目視では確認できない状態でした。
万が一との思いで、許可を取って引出しを半壊させて引きずり出しますと本来壁となる部分が空洞となっていて、そこに逃げ込んだが後退り出来なくなった猫ちゃんが身を潜めていました。
外から見たら壁の空洞が無いような作られ方をした作り付けのタンス。
何十年も引き出しできなかった引出し。
目視確認できない、ありえない場所が破れていた引出し奥の床板。
入り込んだ猫ちゃんが後退り出来なかった絶妙のフィット感。
いくつもの要素が絡んで見つけにくかった猫ちゃんですが
見つけられて本当に良かったです。
救出後、久しぶりにチュールをうれしそうになめていました。